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●NHKスペシャル シリーズ「変貌する日米同盟」→まず、「同盟」って言うな!

 第一部、第二部と合わせれば2時間半にもなるこの番組。参考になるところもあるにはあったが、最後まで見て、あんぐり口を開けてしまった。なんのことはない、番組の行き着くところが結局、額賀防衛庁長官の政策プロパガンダ番組じゃあないか。ひどい構成だと思う。これがやっぱりNHKなんだなぁと再確認。すなわち、べったり政府寄りで、少数の意見も紹介するという義務を怠っている。そして、政府が出して欲しくない情報は決して出さないその体質。(市民の意見が反映されない番組作りに、どうして受信料を払わなければならないのか、はなはだ疑問。公共放送と言うが、公共とは政府の側なのか?市民の側なのか?自分の役にたたないモノに金を出すやつがいるだろうか?)
 だいたいからして、「日米同盟」って言葉、まるで当たり前のように使っているが、これは「日米安保条約」とその運用の話であって、いつ日本がアメリカと“同盟”を結んだのか。シロウトなので間違っていたら指摘してほしいが、同盟ってふつう軍事同盟のことを言うんじゃないのか。(経済同盟ってあまり言わないよね。)あるいは、日米が結んだ条約の中に、正式に同盟という単語が出てきたことがあるのか(この辺、自信なし)。いずれにせよ、これは政府・官僚お得意の、言葉のイメージ操作のように思える。個人情報保護法が、権力者の情報保護だったり、自立支援法が実際は、受益者負担増で自立を阻まれる障害者も出てきているように、言葉だけで表面のイメージを先行させ、無意識レベルであらかじめ議論を封ずるようなやり方だ。アメリカへの軍事協力をより自由に広げたい勢力が、防衛庁どころか政財界にいっぱい居ると思われ、その本心が見え見え。だからまず、タイトルをより正確なものに変更せよ。「変貌する日米安保条約の運用」、これ。
 話を内容に戻そう。
 前半は、在日米軍の現状についてのレポート。いかに沖縄に米軍基地が集中しているか、いかに基地の騒音被害がひどいかなどなど。どうやら今回の米軍再編で、本土にも基地その他が移転するという話になり(僕の住む北海道も例外ではない)、自分の目と鼻の先の無視できない問題となったところで、(あまりにも)遅ればせながら、やっと沖縄の人たちの長年の痛みに気づき始めたヤマトンチューたち(僕を含む)。どんな問題が起こっているのか、また予想されるのかを知るのはもちろん重要だ。それなら米兵の犯罪などについても、もっとレポートすべきだし、米兵が基地に逃げ込んだら日本は捕まえることすらできない現状(すなわち日米地位協定の内容)についても、深くつっこんだ番組を作るべきだ。そういう続編、よろしく。
 後半は、米軍再編(トランスフォーメーション、と呼ぶらしい)の考え方。これがCGを使って案外分かりやすく説明されており、まるでアメリカ政府のプロパガンダのようでもあったが、連中が世界規模で考えていることに、日本はこういう形で乗せられたのか~と、頭の整理がついたという意味では役立った。僕自身は、「“テロとの戦い“ってほとんど自作自演劇ぃ~」と思っているので(そこまでの証拠はなくとも、CIA含むアメリカの世界戦略こそがテロを増加させているという指摘は多い。またこの世界同時多発戦争で誰が得をするかと言えば、あきらかにアメリカの軍産複合体だけだ。誰が得をするかで戦争を読み解く、という習慣は、歴史が教えてくれるところ。脱線ですね)、一年前、いや、半年前にこの部分を放映してくれれば、国民として色々考える際の材料になったのに、と思った。
 そして最後、額賀さんを囲んだ3人の鼎談になる。ところがである。額賀さんの考えに意義をとなえる学者が出てくるのは良いとして(そうでなきゃ討論にならん)、学者が出した疑問点・論点に、額賀さんが答える形で終わってしまうのだ。本当の討論は、そこから先にあるのに。額賀さんの説明(=政府側の説明)だけしか電波に乗らず、まるでこれで疑問点が解消したかのような構成。これも実にインチキではないか。結論は出さずともよいから、複数、最低でも賛成反対の二つの立場の議論を提示して、後は視聴者に考えさせるような番組作りに全くなっていなかった。(編集でカットしたのではあるまいか。)
 結局、これは体のいいプロパガンダだ。要は「もう決まりましたから、よろしく」と額賀が言っているだけの番組になってしまった。(「沖縄の負担を軽減するために、国民のみなさん痛みをこらえてください」みたいな額賀さんの説明で押し切ろうとしていたが、それについての批判は、項を変えて書く。)
 もう一点。辺野古沖の海上へリポート建設の反対運動の扱い方が、ひ・ど・す・ぎ・る!そもそもこれまでマスコミは、少数を除いて、あの反対運動をほとんど無視して報道しなかったわけだが、今回の番組では彼らの意見さえ放送されなかった。代わって放映されたのは、ヘリポート建設の方向で住民を調整しようと苦労したおじさんの声だ。それも一つの立場だからおおいに取材して良しだが、反対した人たちの声も入れるべきだ。これからでも遅くない。追加取材し、第三部を作って、日米地位協定の話と一緒に放映してくれたらNHKをある程度見直すことができる(実はスタッフはきちんと取材してあったのに、放映前に上層部に押さえられたのでは?と僕は疑っている。そのような疑いを払拭してくれないと、受信料問題は本質的に解決しない)。この番組の中では、建設反対をした人たちが、まるで単なる“分からず屋“のように描かれており、実に不愉快であった。漁民たちが自分の生活を守ろうとすることが、まるで国や地元に背くような解説であった。この点、かなり許せない気持ち。NHKが公共放送と思えないと、僕が感ずる一瞬(のひとつ)だ。もう一度言う。少数意見を持つものも国民だ。(放送法にもそういうこと書いてあるんじゃなかったかな。)
 結局、すべてが転倒している、と僕は思う。政府の説明責任、と言うが、「決まりましたから、よろしく」なんてのはやり方そのものが無責任極まりない。順番そのものがおかしい。決める前に情報を流して世論を見るべきだし、政府がそれを怠る分野に関しては、本来マスコミが警鐘を鳴らすべきだったのだ。(青臭いことを言っていると自分でも思うが、現状がひどすぎるのだから仕方がない)この番組は、もっと早くに放映されるべきだったし、多様な意見への配慮が足りない。今のNHKには、政府方針と別な角度から番組を作る力もやる気もない、と正直思っている。しかし、こうして苦言を呈するのは、内部には心ある職員もいるのではないかと、淡い期待を抱いているからだ。僕は理想論を言っているだけなのかも知れないが、言うだけは言う。
 基地に直面したどの地域の住民も納得していないことは、番組からも分かった(当たり前だ、すべてが頭越しに決められるのだから)。NHKの職員も、ふつうに暮らしていて、ふつうに疑問の持てる国民の一人であると、信じたい。
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