http://www.a-yaneura.com/viewdat.php?id=R00651

この映画、おととし、ドイツのハイリゲンダムというリゾート田舎町で、あの「G8サミット」が行われた時の、記録映画なんですよね。(で、翌年が洞爺湖G8ってわけですね。)
去年の僕は、洞爺湖G8に際して、「G8市民メディアセンター」というものを札幌市内に3箇所も作るという運動に入り込んでいまして、もう文字通り、ホンットに目が回る忙しさと楽しさでしたから。
だから、この映画、見たかったのにゼンッゼン見る時間なかったんですよね〜。
それが今回、上映会の準備でやっと見れて、個人的には非常によかったです。
この映画、劇場ではかからないし、ネットにも流れないですから。
で、見てみた感想を書きます。
ハイリゲンダムって、風景の美しい田舎町なんですよね。
そういや洞爺湖もそうですよね、なんとなく、自然が豊かで人気(ひとけ)の多くない感じが似てる、てか、ある意味そっくり。雰囲気レベルでは。
そこに延々と長〜い柵(フェンス)が作られるんです。
草むら、森、海、町を、突っ切って、G8の首脳が集まるホテルを囲むフェンスが、どこまでも、どこまでも…。

そうそう、ホテルのロビーの雰囲気も、洞爺湖のウィンザーと似てました。
そこそこデラックス。
一番驚いたのは、映画が静かでとても淡々としていたところですね。
日本人がもし製作したら、たぶん、ですが、
もっとテンポが速いか、よくも悪くも、もすこしメリハリの利いた映像に
ついつい、なってしまいそうな気がするんです。どうしても。
で、この映画のリズムは、
ゆったりしてるんです、全体が。
もちろん、警察と衝突する場面も出てはくるのですが、
「本来この土地は、とても静かで美しい場所なんだ」、ということが
常に頭の片隅に残るような、
一定の歩くようにゆったりしたテンポが、あるんですよね〜。

だからこそ、
G8の会議そのものも、その周囲で起る人間たちのゴタゴタも、
そもそもそれらが、い・か・に・下・ら・な・い・ことか、
強く実感されてくるんです。
結局は、G8が無意味で余計なんですが。
…これは簡単に真似できないテンポですよ。
もちろん映像は、プロ級の撮影技術で、美しい。
まるで”癒し系”映画のようです。嘘でなく。
ただ単に権力側と対抗するだけではなく、
「別な世界があるんだ」「別な考え方や生き方があるんだ」
ということを実際に示す、創り出す、という姿勢が、
近頃のG8を取り巻く市民の動きには、出てきているわけです。

だから、警察と暴力的に対峙するのではなく、
ピエロのかっこして、状況をおちょくってみたり、
ゆったりしたキャンプを作って、そこで静かに仲良くすごしてみたり。
実際に別な「生き方」を示す。現前させる。
この映画の全体の雰囲気は、
そういう姿勢とパラレルになっているのではないか、
そう僕は思いました。
たぶん今回の上映はラスト・チャンスになると思われます。
関心ある方は、ぜひお越しください。
蛇足:
去年のG8で日本では初めて、市民側から動画を含めた情報発信が多数行われました。それはそれでいいのですが、だからこそ残念だったなと思うのは、ドイツのこの「フェンス」のような、パッケージとして記録的な意味合いも持つ、総合的なドキュメンタリーが残せなかったことですね。あるのかな?いや、あるなら誰か教えてくれるよなー。
G8メディア・ネットワークの動画HP全体を、そういう一つの共同作品と見ることも可能ではありますが。
そういえば、日本のTVではやたらと、首脳たちの晩餐メニューとか、警備する人のお弁当の中身とか、食い物の報道ばっかりやっていたのを思い出します。低脳にもほどがあるよな。そういう番組ばかりつないだ「IQゼロ、ニッポン、食い物、G8」なんつうビデオでも編集してみようかな。くだらないよな、どっちにしても。



